- 受入番号
- 歴コ049
- 資料名
- 仁賀保之図
- 法量
- 縦50.0cm 横69.0cm
- 年代
- 1697年(元禄10年)
- 材質・技法・形状
- 紙本着色
- 資料解説
-
これは今から300年以上前に作成された、現在のにかほ市象潟(きさかた)を中心とする地域の絵地図です。上部には鳥海山や稲倉岳(稲村岳)が大きく描かれ、下部には日本海が広がっています。赤い線で記された街道に沿って大きなだ円形がいくつも描かれています。
これは江戸時代の村を示しています。どの領主がどこの村を治めているのかが分かるように、朱色・白・黄色で塗り分けています。
江戸時代の由利地方は複数の領主が支配する地域でした。絵図中で朱色の村は幕府領、白の村は矢島藩領(生駒氏)、「仁賀保」とある黄色の村は矢島藩の分家の領地です。中には2色で塗られている村もあります。これは一つの村を二人の領主が分割して治めていたことを示しています。このことを「相給(あいきゅう)支配」と呼びます。
また、海岸には塩釜が描かれており、製塩業が盛んであったことも読み取れます。