紫塗「菓子器」

受入番号
工コ260
資料名
紫塗「菓子器」
展示の有無
法量
菓子器 縦14.6㎝ 横14.6㎝ 高さ8.2㎝
盆   縦21.8㎝ 横21.8㎝ 高さ2.8㎝
材質・技法・形状
木、漆
制作年代
明治時代
作成地
秋田県大仙市
作成者
倉田維一(くらたいいち・1872年~1929年)
資料解説
これは紫塗の菓子器です。旧仙北郡横澤村中里(1955年に太田町となり現在は大仙市)で倉田維一によって作られました。紫塗は維一が発案し、一代で消えた幻の技術といわれてきました。しかし明治36年に開催された第五回内国勧業博覧会では、維一の父である初蔵が紫塗を出品しているため、親子二代で製作していた可能性もあります。
この紫塗は蓋の内側と容器内部、そして盆が紫色に塗られています。深い紫色が放つ光沢は全く色褪せておらず、品のある佇まいです。一説には木地に朴の木を使い、自宅の桑畑から採集した桑の根と湯の花から抽出したものを漆に混ぜ塗ったとも伝えられています。紫塗の技法は門外不出で、弟子達にも伝授されなかったため、多くが謎に包まれています。