展示概要
私たちのふるさと秋田。豊かな自然とそこに育まれた多彩な民俗芸能や食文化を持つ美の国秋田。そのふるさとは今様々な問題に直面しています。その問題に向かいあっていく私たち一人一人の「あきたびじょん」は新しい時代を迎えるための先進的な道標になるのかもしれません。そのために私たちは今一度秋田を知りたいと思います。秋田とはどんな地域なのか、過去に何があったのか、何を求めて歩いてきたのか、今何が起きているのか、また起きようとしているのか。
本展では博物館が今まで調査してきた様々な事柄を9つの視点で考えます。知っているようで知らない秋田の姿と道標を探すための糸口がここにきっとあるはずです。
「あきたびじょんセレクション」のオープニングムービーを公開しました。
展示期間
2018年4月29日(日曜日)から2018年6月22日(金曜日)まで
開館時間
9時30分から16時30分まで
休館日
毎週月曜日
観覧料金
無料
展示構成
第一章 荒ぶる大地
ふるさとの自然はやさしく、そこに住む人を包み込む。しかしそのわずかな身ぶるいが、大災害を引き起こす。十和田火山の噴火は集落を消滅させ景色を一変させた。人は巨大な力を秘めた大地の上に暮らしている。それは科学が発達した現代でも変わらない。
- 鳥海・十和田の「美」と「災」鳥海山の成り立ち、十和田火山の力 象潟勝景並塩越町図
- 胡桃館遺跡 片貝家ノ下遺跡 釈迦内中台Ⅰ遺跡
第二章 「あきたびじょん」のはじめ
地元の村や町のことを、本に書こうとする人は稀だった。江戸時代になると地方人や紀行家が、地方の風物や民俗を、調べ、記録し、描くようになる。派手さもなければ新味もない、在り来たりの地域の姿が、関心を呼び発見された時代である。
- 真澄の眼 菅江真澄遊覧記(写本)
- 古松軒の眼 東遊雑記
- 武家絵師の眼 秋田風俗絵巻(秋田県指定有形文化財)
- 「ある主人」の眼 足栗毛
- 亀六の眼 雄勝郡地誌
第三章 自然の恵みと共生
人は命をつなぐため自然の恵みを利用しており、望むかどうかにかかわらず、自然との共生が課題となる。生活資材の大部分を、身のまわりの山野や耕地から得た時代、秋田の人は秋田の自然に適応して暮らしていた。そこに共生の一つの形が示されている。
- かまくら図屏風
- 狩猟獣、山菜、マタギ、林業、布、根っこ(泥炭)、編組
第四章 開発の夢
江戸時代、秋田の米は中央市場で無名に等しかった。生産量や反収が全国トップクラスになるのは戦後の話である。開発は常に課題であり、長い開発史の延長線上に現在がある。
- 武士も開発! 真崎堰絵図
- 米どころへの道のり 反収順位変遷
- 石川理紀之助の「夢」
- 八郎潟干拓
- 秋田湾開発構想
第五章 豊かな自然、翻弄される生命
ありあまる自然に恵まれた秋田も、自然破壊と無縁ではない。いったん壊れた生態系を修復するのは難しい。生命を翻弄する者は、生命によって翻弄される。外から連れ込まれた外来種が、密かに自然を変えている。
- クマゲラ
- 玉川毒水、クニマスの絶滅と再生
- 死の湖に生命を
- 加速する外来種問題
第六章 秋田の温暖化
昔の冬にくらべれば、秋田も雪が少なくなったと言われる。温暖化は秋田だけの問題ではないが、身近なところで昆虫たちや食卓にのぼる魚にも確かな変化があらわれている。
- 食卓を直撃する温暖化
- 北上する昆虫
第七章 人口減少は「負」か
人口が減少に向かう一方、野生動物が分布を広げている。人口が減少すれば一般に自然は豊かとなる。人口は増加と停滞を繰り返してきた。人口が停滞した過去の時代に、何かヒントはないだろうか。
減少する人口、分布を広げる野生動物
第八章 新しいエネルギーの形
現代社会は持続可能か、まだその答えは出ていない。環境問題の中心をエネルギー問題が占めるようになって久しい。昔と変わらずあり続けてきた、風や地熱の力が見直されている。自然と人との関係に変化の兆しがあらわれてきた。
- 賀藤景林肖像画
- 風力、太陽光、バイオマス
- 風力発電のメリット、デメリット
第九章 高質な田舎を求めて
若者の間で地元志向が高まっているという。田舎は変化に乏しいためか、持続の力に富んでいる。「ありきたり」(在ってきたもの)の中に新たな価値を見いだせば、田舎は贅沢な住みかとなる。
- 世界唯一、海産魚の全面禁漁 ハタハタ
- 天然記念物を食らう 比内鶏
- 地酒で乾杯
- 世界にはばたく縄文文化 人面付環状注口土器(重要文化財)
- 今を生きる伝統工芸
- 民俗文化財
関連イベント
あきたびじょんサプライズライブ出演者募集のお知らせ
注:イベントは終了いたしました。