展示概要
男の子が生まれると天神人形を買って、初節句を祝う風習が各地で伝えられています。県内でも男の子のいる家では四月頃から土人形や押し絵の天神人形を飾る習慣がありました。この習慣は、天神をまつり敬う信仰のあらわれです。
天神とはもともと雨を降らせたり、雷を鳴らしたりする天の神のことをさし、農業の神としてまつられていましたが、平安時代の半ば頃に、いわれない罪をきせられて亡くなり、「学問の神様」とたたえられた菅原道真という人物のことをさすようになりました。
秋田市内では親しみをこめて「オデンツアン」とも呼ばれています。天神人形は本来、秋田市八橋にある菅原神社の例祭である、4月24日から25日にあわせて飾られていましたが、男の子の成長を願うものでもあったため、端午の節句の頃まで飾る家庭も多く見られました。さまざまな表情の天神様たちをお楽しみください。