展示概要
明治期の博覧会は、様々な美術作品や生産物品などを展示・公開することで、人々の知見を高め、販路拡大や産業振興を進めることを目的とした催しでした。
明治政府が初めて博覧会に出品したのは、明治6年のウィーン万国博覧会でした。秋田の工芸もこの時、海を渡り、世界への扉が開かれました。明治期の博覧会の記録には、相当数の本県関係による工芸品出展と、博覧会を起点としたデザインの変容や市場の拡大の様子が見られます。
本展では、秋田の工芸について、博覧会との出会いとそれによる進化という今までにない視点から、歴史的背景などとともにご紹介します。
展示期間
2024年4月27日(土曜日)から2024年6月30日(日曜日)まで
開館時間
9時30分から16時30分まで
休館日
毎週月曜日
ただし休日と重なったときはその次の平日
観覧料金
無料
美の交差点 フライヤー(表面) 美の交差点 フライヤー(裏面)
展示構成と主な展示資料
1 万国博覧会と内国博覧会
明治政府が初めて公式に参加したウィーン万国博覧会から、国内で開催された万国博覧会の前哨戦ともいえる内国博覧会まで、明治政府が携わった博覧会について紹介します。
- ウィーン万国博覧会会場写真パネル(東京国立博物館蔵)
- フィラデルフィア万国博覧会本館日本出品場写真パネル(東京国立博物館蔵)
2 能代春慶と温知図録
この章では、明治初期の頃から博覧会事務局と関わりの深い能代春慶を取り上げ、博覧会と秋田の工芸の関係性を紹介します。工芸品が有力な輸出品となると確信した明治政府は、伝統技術を革新し、国際的な品質とデザイン性を加味しようとしたことが、温知図録から読み取れます。
- 能代春慶(能代市教育委員会蔵)
- ウィーン万国博覧会受賞メダル(個人蔵)
- 温知図録写真(東京国立博物館蔵)
3 秋田の工芸、世界を目指す
博覧会に出品した記録のある秋田の工芸について、材料の種類別に、秋田蕗摺、漆器(川連・紫塗)、樺細工(大館・阿仁・角館)、鉄瓶、織物(絹織物・ぜんまい織・黄八丈)、金銀細工に分け、紹介します。
- 安喜多富貴印葉図(名古屋市東山植物園蔵)
- 明治十年内国勧業博覧会褒状(個人蔵)
4 秋田の工芸の今
需要低迷や後継者不足などの課題を抱える一方、日本の伝統工芸には世界からも関心が高まってきており、伝統的な製法を活かしながら現代の生活様式にあった商品を開発する、工芸家の挑戦も続いています。この章では、現在の世界市場へチャレンジし、魅力を発信しようとする秋田の工芸について取り上げます。
- 大館曲げわっぱ(大館曲げわっぱ協会蔵)
- 川連漆器(秋田県漆器協同組合蔵)
- 樺細工(藤木伝四郎商店蔵)
関連イベント
ギャラリートーク(2024年5月15日掲載)
担当職員が展示の見どころを解説します。
(5月18日のギャラリートークは、秋田市文化振興課が主管する「みるかネット ギャラリートークセッション2024」の一環として実施します)
- 日時 5月18日(土曜日) 11時から11時50分まで
- 講師 当館学芸職員
- 会場 秋田県立博物館2階 企画展示室
- 申込不要
樺細工のストラップづくり
仙北市角館町に伝えられている樺細工の技法を使ったストラップを作ります。事前申し込みが必要です。
- 6月22日(土曜日)
- 時間
- 午前の部 10時30分から11時30分まで
- 午後の部 13時から14時まで
- 会場 秋田県立博物館2階 わくわくたんけん室
- 定員 各回10名(事前申し込みが必要です)
- 対象 小学生以上(小学校低学年以下のお子様はご家族の方とご参加ください)
- 参加費 500円
- 5月8日(水曜日)より応募受付開始
お問い合わせ先
〒010-0124 秋田市金足鳰崎字後山52 秋田県立博物館
電話 018-873-4121 ファクス 018-873-4123 メール info@akihaku.jp