菅江真澄とは
写真:菅江真澄の肖像画

菅江真澄は三河国(現在の愛知県)に生まれました。「菅江真澄」は、秋田で暮らすようになってからの名乗りで、 それ以前は白井英二・秀超・秀雄などと名乗っていました。
真澄は、30歳のときに長野へと旅立ち、以後、新潟、山形、秋田、青森、岩手、宮城、北海道をめぐり、 48歳のとき再び秋田に入り、その後の28年間、76歳で亡くなるまでを秋田の地で過ごしました。
自身の見聞や体験、観察などを、日記や地誌、図絵集、随筆などの著書にまとめ、そのうち、藩校・明徳館に納められた 「菅江真澄遊覧記」89冊は、国の重要文化財に指定されています。
真澄の著作には、近世の庶民の生活の様子が分かりやすい図絵をそえて記されています。その内容は豊富で、 さまざまな専門分野が重なり合う、学問上の魅力と可能性をもっています。
また、現在も真澄の旅の足跡を各地に確認でき、多くの人々との交流の様子を知ることができます。
人生の大半を旅とその記録に費やし、一貫して観察者としての姿勢をつらぬき、学び続けるものとしての謙虚さを失わなかった、魅力溢れる人物です。

真澄と民俗学

真澄の記録は江戸時代の庶民の生活を知るうえで貴重な資料です。日常の暮らしぶりについてはもちろんですが、 正月を中心とした年中行事などについては、より興味深く記されています。
またその記録には図絵がさしはさまれ、その図絵のおかげで、私たちは一層はっきりと当時の人々のくらしぶりについて知ることができます。 それは見たままの光景を、そのままスケッチすることによって生み出された客観的な情報にほかなりません。
後年、民俗学の大家である柳田国男(1875年から1962年)は、そうした人々の生活や文化に深く興味を持って記録した真澄の活動をもって 「菅江真澄こそ民俗学の祖である」として評価しました。

写真:氷魚の村君

『氷魚の村君』1810年(文化7年)1月

菅江真澄が旅した秋田
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  • 雪の道奥雪の出羽路
  • しげき山本
  • 雪の秋田根
  • すすきの出湯
  • にえのしがらみ
  • 浦の笛滝
  • 阿仁の沢水
  • 男鹿の秋風
  • みかべのよろい
  • かすむ月星
  • おがらの滝
  • ひなの遊び
  • 氷魚の村君
  • 男鹿の春風
  • 男鹿の寒風
  • 月のおろちね
  • 書名

    雪の道奥雪の出羽路
    ゆきのみちおくゆきのいでわじ

  • 通行体表記

    雪の道奥雪の出羽路

  • 年代

    1801年(享和元年)11月から12月

  • 地域

    青森、秋田

  • 県内の市町村

    八峰町、能代市、三種町、八郎潟町、井川町、潟上市、秋田市

  • 図絵数

    23

  • 書名

    辞夏岐野莽望図
    しげきやまもと

  • 通行体表記

    しげき山本

  • 年代

    1802年(享和2年)3月から6月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    北秋田市・能代市・藤里町

  • 図絵数

    38

  • 書名

    雪能飽田寝
    ゆきのあきたね

  • 通行体表記

    雪の秋田根

  • 年代

    1802年(享和2年)10月から12月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    北秋田市・大館市

  • 図絵数

    32

  • 書名

    秀酒企の温濤
    すすきのいでゆ

  • 通行体表記

    すすきの出湯

  • 年代

    1803年(享和3年)1月から5月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    大館市・北秋田市

  • 図絵数

    19

  • 書名

    贄能辞賀楽美
    にえのしがらみ

  • 通行体表記

    にえのしがらみ

  • 年代

    1803年(享和3年)6月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    大館市

  • 図絵数

    15

  • 書名

    宇良の笛多幾
    うらのふえたき

  • 通行体表記

    浦の笛滝

  • 年代

    1804年(文化元年)1月(第1部)、1806年(文化3年)4月から7月(第2・3部)

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    北秋田市・能代市・八峰町

  • 図絵数

    20

  • 書名

    阿仁迺澤水
    あにのさわみず

  • 通行体表記

    阿仁の沢水

  • 年代

    1804年(文化元年)春

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    能代市・北秋田市

  • 図絵数

    33

  • 書名

    恩荷奴金風
    おがのあきかぜ

  • 通行体表記

    男鹿の秋風

  • 年代

    1804年(文化元年)8月から9月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    秋田市・潟上市・男鹿市・三種町・能代市

  • 図絵数

    38

  • 書名

    美香弊の誉路臂
    みかべのよろい

  • 通行体表記

    みかべのよろい

  • 年代

    1805年(文化2年)7月から9月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    大館市・北秋田市・能代市

  • 図絵数

    25

  • 書名

    霞むつきほし
    かすむつきほし

  • 通行体表記

    かすむ月星

  • 年代

    1806年(文化3年)2月から3月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    能代市・三種町・八郎潟町

  • 図絵数

    33

  • 書名

    雄賀良能多奇
    おがらのたき

  • 通行体表記

    おがらの滝

  • 年代

    1807年(文化4年)3月から5月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    八峰町・能代市・三種町・北秋田市・大館市

  • 図絵数

    29

  • 書名

    夷舎奴安装婢
    ひなのあそび

  • 通行体表記

    ひなの遊び

  • 年代

    1809年(文化6年)7月から9月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    五城目町・井川町・三種町・八郎潟町

  • 図絵数

    35

  • 書名

    比遠能牟良君
    ひおのむらぎみ

  • 通行体表記

    氷魚の村君

  • 年代

    1810年(文化7年)1月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    五城目町・八郎潟町・井川町・三種町

  • 図絵数

    40

  • 書名

    雄鹿の春風
    おがのはるかぜ

  • 通行体表記

    男鹿の春風

  • 年代

    1810年(文化7年)3月から5月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    五城目町・八郎潟町・三種町・能代市・男鹿市

  • 図絵数

    38

  • 書名

    牡鹿の寒かぜ
    おがのさむかぜ

  • 通行体表記

    男鹿の寒風

  • 年代

    1810年(文化7年)7月から1811年(文化8年)2月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    男鹿市

  • 図絵数

    15

  • 書名

    月迺遠呂智泥
    つきのおろちね

  • 通行体表記

    月のおろちね

  • 年代

    1812年(文化9年)7月

  • 地域

    秋田

  • 県内の市町村

    秋田市

  • 図絵数

    25

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